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「寂しすぎて、別れると思う。会えない時間が育てるのは不安と疑心ってよく聞くし……」
「……元春がなに言ってるのか全然わかんない」
琴音は席を立った。
カバンに再び荷物を詰め込む。
「帰る。もう1回考えたほうがいいよ」
「でも、琴音……」
琴音は無視してワープロ室を出た。
「純~」
「泣くなよ、うざい」
「なに?ダメなの?一緒の学校に行きたいだけだよ?」
喚かれて、白川は舌打ちする。
美沢琴音の脈絡のなさはいつものことではないか。
今更驚いたり傷ついたり……。
「先生は蒼香さんと一緒のこと言ってたのに……」
「受験資格か」
「うん……」
美沢琴音は別に元春と同じ学校に行くのが嫌なわけじゃないんだと思う。
そういうことじゃなくて。
「……がんばってみれば?とりあえず、日商とって。がんばってるとこ見せればあいつも納得すんじゃない?」
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