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「オレと美沢と同じとこ行きたいらしい」
白川が答えた。
「たぶん、それでじゃん?」
「……もっくん、本気?」
元春はゆっくり頷く。
「……確認していこう!」
蒼香は黒板の前まで行った。
白いチョークを握る。
「まず、あたしたちは商業科である」
蒼香は黒板に「商業科」と書き込む。
教室中の視線が彼女と彼女の書く文字に集まる。
「商業科は主に商業科目を学ぶから、普通科よりも普通科目は深く学べない」
「知ってるよ」
元春が反抗的に言ったが、蒼香は無視する。
「大学入試において、普通科と同じ土俵にあがれないから、一般入試ではなくて、推薦入試を受ける。その場合、検定資格、平均評定、テストの順位がものをいう」
資格、平均評定、テストと蒼香は書き込む。
「わかってるって」
「平均評定の意味は?」
「通知票の五段階評価の平均。わかってるよ」
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