1.同じ学校

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美沢琴音は欠伸をした。 隣にいた白川が、琴音を睨む。 放課後のワープロ室。ワープロ室といっても、ワープロはない。床にはピンクの絨毯がしかれている。 数人が、長机に向かって電卓を叩き、簿記のプリントと格闘している。 先生は会議のため、自習形式だ。 日商簿記2級を受験する予定の者が自由参加で放課後残って勉強している。 「琴音、ここわかる?」 琴音の前に座っていた元春が振り返る。 「……白川に訊いたほうがいいよ」 「……わかった。純、教えて」 「これ?」
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