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美沢琴音は欠伸をした。
隣にいた白川が、琴音を睨む。
放課後のワープロ室。ワープロ室といっても、ワープロはない。床にはピンクの絨毯がしかれている。
数人が、長机に向かって電卓を叩き、簿記のプリントと格闘している。
先生は会議のため、自習形式だ。
日商簿記2級を受験する予定の者が自由参加で放課後残って勉強している。
「琴音、ここわかる?」
琴音の前に座っていた元春が振り返る。
「……白川に訊いたほうがいいよ」
「……わかった。純、教えて」
「これ?」
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