悲しみの顔~籠の中の鳥~

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「僕、大きくなったら騎士になるんだ!」 フィリア「じゃあ、ユーキの代わりに御付きしてあげる」 結城「あはは」 結城は苦笑するしかなかった 「私、大きくなったらお姫様みたいに綺麗になりたい!そしたらユーキさんと結婚するの!」 結城「あはは、なれますよ、きっと。僕はお待ちしておりますから」 フィリア「む」 フィリアは結城を睨み付ける だが、結城は気付かずに女の子と話を続ける 「バイバイ!」 「バイバイ!」 子供達はまた遊びに行ってしまう 結城「行きましょうか、姫様」 フィリア「知らない」 結城「姫様?」 むすっとしたフィリアは1人で先に行ってしまう 結城「?、俺なんかしたか?」 そんなフィリアを見て、結城は思わず素の自分を出してしまう 結城「姫様!」 フィリア「何?」 追い付いたが、フィリアはご機嫌ナナメ 結城「僕が怒らせてしまったのなら謝ります、理由を聞かせていただけませんか?」 フィリア「別に怒ってない」 絶対零度、冷たい態度に結城は屈しそうになるが負けない しかし、いつの間にか下町まで来ていたので 「ユーキ君!姫様と喧嘩か?!」 「いやぁ、ユーキ君もやるねぇ!」 結城「あはは……」 他人事だと思って下町の人達に冷やかされる始末 こっちは大変なんだよ!と言いたいが、ぐっと堪えて苦笑い 「姫様!アクセサリーはどうですか?」 フィリア「あ、見たい」 「色々ありますよ!」 未だにご機嫌ナナメのフィリアはどうやらアクセサリーが気になるらしい チャンスとばかりに話しかける 結城「良いのがありましたか?」 フィリア「…………」 結城「…………」 「良ければ持ってって下さい。サービスです」 フィリア「ううん、大丈夫。今度お金持ってきてちゃんと買います」 結果は無視に終わり、フィリアは結城から逃げるように行ってしまう 結城「すみません、姫様の見ていた物をいただけますか?」 「これですよ、ペアのネックレスです」 結城「ペアのネックレス…………?」 フィリアもお年頃、誰か好きな相手でもいるのだろうか 結城は少ない懐から、そのネックレスを買ってあげることにした
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