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結城「おはようございます、姫様」
フィリア「おはよ、ユーキ。昨日は楽しかったね」
結城「そうですね、また行きましょうね」
フィリア「うん、そうだね。あ、ネックレス着けてくれてる」
結城「はい、せっかく姫様とお揃いですからね」
フィリア「……………」
フィリアの沈黙に結城は本当に焦る
すぐに謝ろうかとしたが、嬉しそうに顔を上げたフィリア
フィリア「えへへ、お揃い」
結城「…………ふぅ」
嬉しそうにネックレスを弄るフィリアを見て、安堵の息を漏らす
再び昨日のやり直しはやりたくない
フィリア「ユーキ、今日はユーキの住んでいた所のお話しましょ?」
結城「はい、良いですよ」
フィリア「ユーキはずっと日本に居たの?」
結城「いえ、幼い頃は日本に居ましたがその後は色々な国を転々としていました。でも、日本には3ヶ月は必ず留まるようにはしていました」
フィリア「凄い!じゃあ、ユーキはスリフィアだけじゃなくて他の国にも行ったんだ!」
結城「はい、フメルやクロメリア、ナルエロ、ザーフィス等色々行きました」
フィリア「良いなぁ、私も行ってみたいなぁ」
まあ、でも日本が一番良いと彼は思う
それは、彼が日本人だからだろう、やはり自分の生まれた国は良い
結城「姫様は他の国へ行った事はありますか?」
フィリア「…………ううん、行った事ない。私はずっとお城にしか居なかったから」
結城「…………すみません」
やはり、一国の姫になると簡単には外の世界には出られない
恐らく、一人で外に出たことは無い筈だ
結城「いつかは外に、外の世界を見ることが出来れば良いですね」
フィリア「ううん、無理だよ。私はこのまま王女になって国を治めて、他の国の代表と会って、その為だけに僅かな時間だけ外に出る。それも、周りに警護が沢山居て自由なんか無いの」
結城「………………」
悲壮、彼女は悲しげに微笑んでしまう
とても悲しい
それは、フィリアが外に出られない事がじゃない
フィリアが将来の自分を想像できてしまう所が、だ
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