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「……なぁ妹紅、もうちょっと待ってくれないか。 まだちょっと心の準備が出来てないんだ。 …いや、その、なんと言えばいいんだろうか……やっぱり恥ずかしいよ。 こんな格好をするのは初めてだからな。…こら、あんまりからかわないでくれよ。そう言う妹紅だって、なかなかその服装が似合っているぞ? いつもの可愛らしさに更に磨きがかかってるぞ。はははっ。妹紅、顔がすごく真っ赤じゃないか。すまないすまない、でもこれでおあいこだな。 あぁ………これからはいつまでも一緒だな、妹紅。 なんだか……まだ実感が湧かないな。私とお前が、こうして籍を入れるなんて。…いや、別に嫌ではないぞ? むしろ、嬉しいくらいだ。 ただ、本当に私なんかで良かったのかなと、ふと思ってしまってな。 私なんかがお前を幸せに出来るのかと思うと、不安になってしまうんだ。…すまない。こんな大切な日にこんな事を言ってしまって。………ずっと、愛してるよ妹紅。
どんな事があろうと、何があろうと、私はお前の隣に居て、ずっとお前の生きる意味になるよ。そして、これからの私が生きる理由で在り続けてくれ、妹紅。
……ふふ、やっぱり面と向かってこう言う事を告げるのは照れくさいな。 私まで顔が赤くなってきたよ。 さぁ、そろそろ行こうか。これ以上待たせたらあの子達が騒がしくなるからな」
照れ笑いをする慧音に手を引かれ、私達はあの紅白の巫女達の集まる場所へと駆け出した。
香霖堂という店から取り寄せたという「ウェディングドレス」に包まれた慧音は、いつも以上に綺麗で愛しかった。 さっきの台詞だって、私には思っていてもきっと恥ずかしくて言葉になんて出来なかった。 でも…そんな私でも慧音のあの台詞に対して返答の言葉を口にするならば、ただ一つ………
『私も、ずっと愛しているよ慧音』
―END―
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