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……少しばかり話しが長くなっちゃったわね。…ありがとう。 今夜はもうお開きよ。 私は少し夜風でも当たってくるわ。それじゃ…あ、それと紅茶、とても美味しかったわ。また次の夜も淹れて頂戴ね」
そう言って、私の仕える主は部屋を後にした。
最後に扉を開けて出て行く時、窓から差し込んだ蒼白い月明かりで見えた主の瞳には、うっすらと小さな雫を浮かべているのに気付いたが、きっとプライドの高い貴女は何かの見間違いよと言って怒りそうだったから、私はただ黙って、扉が閉まるまでその幼き後ろ姿を見送った。 同じ時を歩めない私の為に泣いてくださったレミリアお嬢様に、最後に小さく「ありがとう」と呟いた。
―END―
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