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「あれ。なんだ信じてくれるのか?」
珍しく俺の話をそのまま信じてくれた累奈を不思議に思いそう尋ねると、そんな俺の問いに累奈は溜め息を吐いてしまう。
「……貴方が死に掛けたなんて言われたら、ね。本当、高木君も冗談みたいな人だけど貴方も似たり寄ったりね……」
俺が死に掛けるって事が、幽霊を見たっていう怪奇現象よりも信憑性が高いってのは正直いただけない。けれど何よりも優希よりも冗談みたいと言われるのは心外だ。
だってあれ、非現実(ハーレム)だぞ?
「全く……。あ、ねぇ貴方もしかして……」
そういって真剣な表情で俺の方に顔を近づけてくる累奈。絶対に嘘は吐かせないといった迫力をヒシヒシと感じるものの、一番気になるのはその距離な訳で。
「……死神に憑かれてたりしてない?」
思いっきり噴出したら、お返しに思いっきりどつかれた。
◆◆◆
やあやあ、こんにちは太陽さん。君は今日も元気だね? そういう前向きな姿勢は大変よろしいと先生も思うのだけれど、中には朝からその明るさはちょっと困るって言う人もいるかもしれないから、どうぞ光量を調節プリーズ。
「あ! 孝章だ! タカアキーー!!」
あ、ごめん、太陽さんもういいや。あんたより眩しい奴が来ちゃったみたいだ。
「おお、おはようまいはにー」
「やだなー、こんな大通りでみんな聞いてるのに恥ずかしいよ~」
「……貴方達って、まさかまさかと思っていたけど本当にデキていたの……?」
そういって俺達のナイスな朝の団欒へと入り込んできたのは累奈。その目は冷たく、ともすれば泣いてしまいそうなぐらいに俺に信用がないことを浮き彫りにしている。
「できてる?」
小首を傾げてそう聞き返しているまいはにー。正直に言っても可愛いと思えるのだからこの友人は末恐ろしい。
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