「気付いたんだ」

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繋いだ手から伝わってしまいそうなくらい、心臓が動揺して動きを乱す。 「い……言いたいこと?」 篠田くんが、私に言いたいこと。 甦るのは、空き教室で唇に触れた唇。 この暗闇がなかったら、私の真っ赤に染まった顔がきっとばれていただろう。 「…………」 「…………」 少しの沈黙の後、篠田くんは繋いだ手を放して、その手で私の頭をポンっと撫で、 「……今はいいや」 そして、フッと息が漏れる程度に笑い、私の眼鏡を受け渡して、 「明日な」 元来た道へ足を戻した。 「あ……、あのっ!」 思わず引き止めてしまった声に、篠田くんがもう一度こちらを見る。 「私も……篠田くんに言いたいことが……あります」
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