「気付いたんだ」

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名残惜しくて、彼が去っていった暗闇をしばらく見つめた。 明日になれば、何かが変わる……。 篠田くんの言いたいことが、私と同じでありますように。 もう……、さっきより好き。 もっと好き。 今別れたばかりなのに、会いたくなってる。 声が聞きたくなってる。 思い出せば思い出すほどに、好きになる。 明日……。 明日になれば、また顔が見れる。 あなたに会える。 私はギュッと目を瞑り、手渡された眼鏡を掛けて、家のドアノブをつかんだ。 お父様、怒ってるのかな。 ……怒ってるんだろうな。 何とも思っていないのなら、そもそも電話をかけてきたりしないだろうし……。 篠田くんと一緒にいたことだけは、ばれないようにしなくちゃ。
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