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「聞いて……くれる?」
恐る恐る問い掛けると、篠田くんは私の頭をポンッと撫でて、微笑んだ。
「……待ってる」
篠田くんは、不思議。
なんてことない言葉や仕草で、嬉しくさせたり悲しくさせたり、私の心を操ってしまう。
優しくされると嬉しくて、冷たくされると泣きたくなって……。
それは全て、「好き」のせい?
「あ、そうだ」
篠田くんは何かを思い出したかのように言い、ここには私たち二人しかいないのに、なぜか耳打ちをする体勢を作り、そっと私の耳に唇を近付けた。
「?」
「お前ってさあ、もしかして……俺が初めて?」
「――っ!」
私の顔は一気に真っ赤になって、反射的に篠田くんの体を片手で押し退けた。
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