アメリカーン

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こないだ、スクールバスのバイトがありました。 小学生たちは、にぎやかにはしゃいています。 ひとりの、短い髪の男子?が 運転席の横に立って... 「ガソリンいっぱい入ってる」 僕は、かわいいな、と思って 「そう、バスはね、ディーゼルエンジンだから、軽油、を燃やすんだよ」 「...レギュラーとか、ないの?」 「あるけど、あまり売ってないかな。気温で変えるの。」 「...ふーん。運転してみたいな。」 「そのうちね。」 「....そのうちか。」 優しい言葉の子だな、と思って 丘の上の別荘地の 停留所で降りていくときに良くみ たら... タイツにスカートでした(笑) 昨日は、プレミアムアウトレットの仕事でした。 運転席の横に立つ、女の子。 中学生かな、高校生かな。 さらりとした感じの、素朴な子です。 「見晴らしいいなー、運転してみたいな」 なんて言うから「運転してみる?」(にこにこ) いいですいいです、と、手を振るその子に、思わずにこにこ、と。 和やかな雰囲気で、バスはゆっくりと 銀杏並木を走ります。 もうすぐ、銀杏も黄色く色づくかな... そんな事を考えながら。 この子たちにもう、会う事はないだろうけど 瑞々しい気持ちで、暮らして行ってほしいな、と そう思いました。 高原のアウトレットは快晴。 観覧車に霧がかかっていました。
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