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夕暮れの空を眺めて、煌めく星が生まれるのを見ている…。
一番星が出るのと同時に出てくる好きな人の名前…。
「良太郎…。」
デンライナーの車窓から、夕暮れを見て僕はぽつりと呟く。
イヴはまだ遠い…。
良太郎に次に会えるのはイヴ…。
遠いなぁ…。
最近、夕暮れをこの窓から眺めるのが日課になってる…。
太陽が沈み、星がどんどん増えて、空を覆いつくす…。
ロマンチックで大好き…❤
良太郎も見てるのかな…。
寂しい、思いが募る…。
「リュウタ、どないしたんや?」
「熊ちゃん」
「夕暮れ、見とったんか?」
「うん…。」
僕は俯きながら尋ねる
「ねぇ、熊ちゃん…。」
「なんや…?」
「僕、良太郎に会いたい…。イヴまでなんか待てない…。」
それを聞いた熊ちゃんはびっくりして、目を丸くしていたけど、すぐに、ニッコリと笑い、
「じゃあ、行ったらええ」
と、言うと、優しく頭を撫でてくれた。
その熊ちゃんの言葉に笑顔で僕は応え、デンライナーを降りた。
僕は空に手を広げ、ありったけの星を抱え、良太郎のいるミルクディッパーに走った。
良太郎、僕、一番大好きなこの星空の星をあなたに届けに行くから…。
とっておきの笑顔で、僕を待ってて…。
待っててね…。
空に輝く星を抱え僕はミルクディッパーのドアを叩いた。
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