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「今さらなんだけど…グゥっていったい何者?」
母さんとアルヴァは今日は久しぶりの狩りに出掛け、保健医は都会で医師研修があるらしく、今はここにはいない。アメはグゥの中の三人が面倒を見てくれている。今、この家にはグゥと俺しかいない。
俺は夕食の下拵えをしながら、なにやら本を読んでいるグゥに聞いた。
いつも疑問に思っていたが、昔は怖くて聞けなかった。
しかし、最近になって、グゥのことを怖さにも慣れたためか…何の考えもなしに口にしていた。
「なんだ、ハレ。私を口説いているのか?マリーがいるのに、さすがは保健医の子だな」
グゥはフッと不適な笑いを浮かべる。
「違うは!!保健医と一緒にするな!!俺は奴をまだ父とは認めん!!」
俺は否定するように大きな声を張り上げた。
「否定すればするほど、見苦しいな」
グゥはため息を付き、俺の存在を無視するように読み掛けの本に再び視線を戻した。
「違うったら、違うんだ!!」
グゥに無視されたら、俺の大声はただ虚しく響くだけだった。
「って、そんなことじゃあはぐらかされないぞ!今日と言う今日ははっきりさせてやる!」
「ちっ」
嫌な顔して、グゥは隠そうともしないで、大きな舌打ちをした。
「なぜ、今になってそんなことを聞く」
いつもと違い、真剣な表情でグゥは聞いて来た。
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