忘れかけた遠い記憶

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その内、暇な時間が増えてきた神堂を梓先輩に紹介した。 梓先輩は最初に 「うぉっ美形!ジャニーズにもいないよこんな美少年! さぞかし女の子にモテるんだろうね~」 と言ったっきり、神堂の外見については時折、会話の流れでからかうくらいしかしなかった。 こうなるだろうとは分かっていた。 梓先輩は、例え神堂だろうが俺だろうが、他の誰であろうが同じように接していただろうと。 良くも悪くも平等な人だった。 それから一年、三人で馬鹿なことをしたり、真面目に勉強会を開いたり色々した。 梓先輩はそんな性格だから、きっと同級生にも友達がいたはずなのに何故か下級生の俺たちとつるんだ。 今も理由はさっぱり分からないが、梓先輩ならこう言うのだろう。 「楽しいからにきまってるっしょっ」
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