スター珈琲

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 秋の夜は長くて退屈だ。  斎藤大地はコーヒーを飲んだことを後悔していた。  やりたいことも見つからずにとりあえず、と普通科の高校に通い始めて、気が付けば二年の冬。未だに進路も決まらないままだった。  とりあえず明日提出のレポートを仕上げないと、と濃いコーヒーを飲んだはいいが、想像以上に早くレポートが終わってしまったのだった。  変に覚醒した頭で眠りにつくことなどできるはずもなかった。  仕方なく手持ちぶさたに携帯をいじる。最近、大地はここの怪盗ゲームにはまっていた。  それから一時間が経過した頃、大地は携帯ゲームにも飽きてテレビを見ていた。  この時間帯のテレビはあまりおもしろいものがない。  適当にカチカチとチャンネルを回す。  その手がふいに一つの臨時ニュースによって止まった。
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