プロローグ

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2XXX年、世界は長い第三次世界大戦から平和協定が結ばれ、あらゆる問題を解決させ世界の国々は一つの大国になった。 そして石油に変わる新しい鉱石“如宝石”が発見されてから更なる発展を遂げたこの世界では、不安定な世の中のせいか様々な犯罪が多発した為、共通の一つの世界的法律が打ち立てられた。 その名を“犯罪撲滅法” 全ての犯罪にランクがつけられ一番高いレベルのAから一番低いEの5段階に分けられている。 大勢の人間の人生を奪う犯罪にはAランク。 個々の人間の人生を奪う犯罪にはBランク。 大勢の人間に迷惑をかける犯罪にはCランク。 個人の人間に迷惑をかける犯罪にはDランク。 軽犯罪にはEランク。 こんな感じで分かれており、A、Bランクには死刑、C、Dは刑務所行きEは厳重注意となっている。 だがCとDでは大きな違いがありまたAとBもまた同様に違いがある。 Dランクの犯罪者にはまだ人権が尊重され抵抗さえしなければ通常通り無事に連行される。 Cランクの犯罪者には暴行、時に意識不明になるまで殴りつけられ、動けなくなった所を強制的に連行される。 Bランクには刑務所内での一週間の自由行動が許され、最終的には比較的安楽死に近い方法であの世に送られる。 ただしこれは不慮の事故での殺人等、残忍性が無い場合のみの処置であり残忍性や計画性が感じられる場合はAランクへ移動させられる。 そしてAランクの犯罪者は謎の島に連れて行かれ“世界を平和にする”という意味不明な処置が取られる。 そしてこの島では毎日地獄の様な日々を送らされた後精神学者が考案したより残忍な方法によって死刑される。 脱走する者も後を絶えないが脱走者には殺されることなく捕縛される。 また刑務所内で自殺を計ろうとする者も後を絶たない為、監視され両手を固定し、口には舌を噛まない様に自殺防止用の装置を設置される。  そして、世界中の国民はGPS付きの時計を手首に着ける事を義務づけられ、万が一時計を外すと、A級犯罪者として世界中何処にいても逮捕され処刑される仕組みになっている。  なおこの法律は政治家やマフィアにも例外なく着ける事を義務づけられ拒否した場合には同様に抹殺される。 着けない人もいるのではないのか疑問に持つ人もいるかもしれないが、この世に誕生した時点でこの装置は着けられる為その点においては心配ない。
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