プロローグ

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万が一、GPSが何らかの理由で破壊された場合にも、全人口のIDが組み込まれた極秘人口衛星=ダークエンジェルによってすぐに発見されるという仕組みである。 そしてこの時計にはGPSの他に恐ろしい機能が備わっている。 犯罪監視装置。 音、映像、汗、脳波等様々な物から分析しその人物が犯罪を犯したかどうか判断する機械である。  犯罪を犯した者には強烈なサイレンと共に死刑執行組織“漆黒の花”が来て犯罪者に何らかの罰が与えられる。 “漆黒の花”は国が考案した国家機関であり、警察が要らなくなったこの世界において絶対的な行動力と統率力を持っており主に犯罪者を捕縛を職務としている。  漆黒の花に就職するには幼少期からの英才教育、特殊訓練、人格操作を受け、難関の試験を突破し最強の“道具”として国家からの指定を受けた人間のみが就職できる。 入団した時点で彼らには名前が無くなり全員がIDで名前を呼ばれる様になる。 だだ例外もあり漆黒の花のトップ10には称号という名の名前が与えられ そして黒い花の焼き印を身体に刻まれる。 この焼き印は漆黒の花の中の施設では絶対的な権限を持っており施設内のどんな場所でもそれを示しただけで入る事が許される。  だがそれは絶対的な服従の証でもあり一生忠誠を誓い続ける代償の印でもある。 そんな軍隊の様な組織によって管理されているお陰もあってか現在の犯罪発生率は0.5%とほぼ無くなり、まともな精神を持つ人なら絶対に犯罪はしない世界になっていた。 そんな人権を無視した世界であるにも関わらず、人々は誰も反乱を起こすことはなく平和だが監禁に近い生活を強いられてきた。 だがその代わりに新エネルギーが発見された事による科学の発展が、人々が便利な生活を送れる一因になっている事も事実だった。
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