投機予想詐欺

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ある日、田中の家に電話がかかってきた。 なんだ……こんな時間に しばらく無視をしていたがうるさいので仕方なく受話器をとる。 「もしもし」 「あ、田中様のお宅でしょうか」 電話の主は聞いたこともない声だった。 「そうですけど……お宅はどちら様で?」 「申し遅れましたが、私、部長のご紹介で、おいしい話を持ってきた者です」 部長? ……怪しいが、おいしい話というのは気になる。 …聞くだけ聞いてみるか 「おいしい話ってなんだい?」 「それはですね……私に投資すると何倍にもなって返ってくるという話でございます」 「そんな話信じられるか!!」 「それはごもっともです。 では、秘密なんですが貴方だけに教えましょう。 ……実は、これから乳製品の価格が上がると私は睨んでいます。 どうでしょうか? また後日連絡します」 それだけ言うと電話は切れてしまった。 .
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