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教室に戻る途中、真紀ちゃんは少しうつ向いて小さな声で言った。
「奈央私ね、実は…」
「光輝くんが好きなんでしょ?」
私が真紀ちゃんの言葉の続きを言うと、
驚いて立ち止まった。
「知ってたの?」
「うん」
「うわ~いつ?いつから?」
「真紀ちゃん分かりやすいからバレバレ」
「マジ?どうしよう~」
「アハハ!頑張って!」
「あーあああ」
真紀ちゃんは顔を隠しながらがくりとうなだれた。
そして一瞬だけした真紀ちゃんの溜め息の意味も…
"嫉妬しちゃってたんだ…"
と悲しそうに言った言葉も…
"俺さ…ずっと言おうと思ってた"
と言った光輝くんの深さも…
何も知らない私はこの後起きる大きな渦の中に呑み込まれていったー…
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