ほろ苦いチョコ

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バタン。 「何だよ」 「李央今日何してたんだ」 「何って?」 「電話した時誰か側にいたろ」 「兄貴に関係ないじゃん」 いきなり不機嫌な声になると俺を睨んだ。 「今日奈央達が来るってなってただろ。」 「バイトがいきなり入ったんだよ」 「じゃあ連絡くらい入れろ」 「あの時は出来る状態じゃなかったから…」 李央は途中で詰まった様に語尾を濁らせ目線を外した。 何か隠してる。俺の直感でそう思った。 昔からそうだ。 何か隠し事するとき目を反らす。 「でもな、皆お前が帰ってくるの待ってたんだ」 奈央がどんな思いで待ってたか… 怒りが込み上げてきて同時に苦しくなってきた。 「忙しかったんだって、そんな怒らなくっ…」 気付いたら俺は李央の言葉を遮り、胸ぐら掴んでいた。
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