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ただあからさまに過去に影を背負い、未だに敵か味方か分からないようなきな臭さを持つ虹の事が信用できていないのだ。 ああいう類の人間は味方になりゃ心強いが敵になれば厄介だ。 だから余り重要な役職には就けたくねえんだよ……。 特に調役とかには、な……。 んな事をしたら敵にみすみす情報を漏らす様なもんじゃねえか。 だからといって勘定方にするのは惜しいしな。 「ったく、面倒臭えな……」 土方は深い溜息をついた。 虹について考え込んで既に半刻が経つ。 一同の名前を書き上げる時間と虹の処遇について考える時間が同じとは、なんとも面白い話だ。 暫く組織図を見つめていると土方に名案が浮かんだ。 「こりゃあいい……」 土方は自分の考えに不敵な笑みを浮かべる。 上手くいきゃ秋月が敵か味方か炙り出せる……。 俺達の味方になるのか芹沢の味方になるのか……。 はたまたどちらの味方にもならないのか。 多分これではっきりする筈だ……。 土方は満足げに組織図を仕舞い床に就いた。
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