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今、俺はジェイドの泊まってる部屋の前で固まっている。
中からは、物音一つしない。
どうやら眠っているようだ。
俺はある作戦を決行しに来たのだ。
その作戦とは…
寝ているジェイドの額に、肉という字を書くというものだ!!
主な首謀者はほかでもない。俺。
あとの共犯者、一緒に計画を練ったヤツはアニスだ。
ことの発端は今朝にある。
今朝、俺とアニスはジェイドの隙の無さについて語っていた。
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「ジェイドって本当に隙がねぇよな~」
「確かに。大佐の隙…と言えば寝ているときぐらいなんじゃない?」
「寝てるときすら隙が無かったらアイツは化けモンだよ」
「そうだっ☆」
突然アニスは何かを思い付いたように言葉を発した。
「大佐の寝込みを襲って、隙があるかどうかを調べようよ~」
そして、ジェイドの額に肉という字を書くことになったのだ。
俺は最初拒否した。けれど、好奇心にはかなわなかった。
いつまでも固まってる訳にはいかないよな。
そう思い直し、俺はドアノブに手を掛け、静かに捻った。
ガチャ、と軽く音が鳴ってしまったが、規則正しい寝息が聴こえたので、ホッと一安心した。
心の準備を軽くした後、足音をたてないよう細心の注意を払いつつ、ジェイドの寝ているベッドへと近付いた。
ジェイドは熟睡しているようだった。
その顔をそっと覗き込んで見ると、眼鏡を外した顔を見ることが出来た。
やっぱり整っていて、綺麗。だが、心なしか普段より幼い印象を受けた。
そろそろ作戦に移らなければ。
俺は用意していたマジックをズボンのポケットから取り出し、キャップを外した。
その際音が鳴らないように心掛けた。
その努力もあってか、音は鳴らなかった。
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