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貴方は太陽のように眩しい。
正に、聖なる焔の光。
だが貴方は私が生み出した業により産まれた複製人間。
しかし、本物の聖なる焔の光、被験者よりも、ずっとずっと、眩しい。
笑顔も、髪の色も。
髪に至っては黄昏時の色。
本当に貴方は太陽みたいだ。
そんな貴方は私にとって眩し過ぎる。
温かすぎる。
けれど私は貴方に近付いてしまう。
きっと私は街灯に吸い寄せられる哀れな蛾。
光を求めている。
まるで、
異世界のイカロスのようです。
届かないと解っていながらも、太陽に近付きたかった。
近付いた結果、鳥の羽を集めて蝋で固めた張りぼての羽は案の定溶けた。
翼を失ったイカロスは墜落し、命を落とした。
欲を出して、太陽に近付いたからイカロスは死んだ。
太陽に近付きたいという欲がイカロスの身を亡ぼしたのだ。
私も、これ以上貴方に近付けば身を滅ぼすことでしょう。
現に、私は、もう、以前の私ではないのだから。
もしかすると、もう既に、翼は溶けて、舞い散ってしまっているのかもしれない。
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翼=心の壁と言うか凍てついた心?←
イカロスの話は個人的に好きです。
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