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それからシンデレラは自慢の知恵で、王子様を丸め込む策略を考え始めました。
そして、とうとう舞踏会の日。
義妹たちは着飾ることなく、堂々と普段着で城へ向かって行きました。
そんな義妹たちを見たシンデレラは、愚かですね、と呟いた。
シンデレラは義妹たちの所為で自分の家が低く見られると思ったのでした。
そういうシンデレラは、何やら怪しい呪文を唱え始めました。
そして唱え終わった次の瞬間、シンデレラはお城の兵士の格好に変身しました。
なんとシンデレラは魔法使いだったのです。
シンデレラを助けるためにスタンバってた魔法使いの出番が無くなってしまいました。
そんな可哀想な魔法使いはぶつぶつ言いながら去って行きました。
「あの眼鏡野郎、話ぐちゃぐちゃにしやがって…」
シンデレラはその魔法使い、アッシュを鼻で笑うと、お城へ向かうことにしました。
しかしお城はここから街を二つ越えた山奥にあるのです。とてもじゃありませんが、今日中に辿り着くのは無理です。
しかし、シンデレラはタルタロスという陸艦を所有していたので、いとも簡単にお城へ行きました。
そしてお城の中へ侵入しました。
門を守っていた衛兵達は、シンデレラが持ち込んだ何やら怪しいクスリによって今や夢の中です。
お城の中には着飾った女性が沢山いました。
皆王子様のお妃の座目当てです。
「必死ですね」
玉座の方へ目を向けると、長い朱い髪を携えた、王子様がいました。
王子様はかったるそうに玉座に座っていました。
そんな王子様を見たシンデレラは、一目惚れしてしまいました。
「可憐ですねぇ…」
それから少し何かを考えすぐさまシンデレラは行動しました。
シンデレラは王子様の元へ駆け寄ると跪き、まるでこのお城の兵士のように振る舞いました。
「なんだよってジェイド、お前話違うだろ!何で兵士の格好してんだよ!」
王子様はかったるそうにシンデレラに聞きました。
「此方の方が面白いじゃないですか」
「お前なぁ…話ぐちゃぐちゃになっちまうだろ!」
「そちらの方が普通より面白いじゃないですか」
「…お前…まぁ良いや、話戻そう。で、何だ」
「貴方様を見て、一目で恋に落ちました。所謂一目惚れですね。私は欲しい物は何でも手に入れる主義なので、貴方を手に入れます」
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