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「とりあえず入りたまえ、疲れただろう、掛けると良い。」
釈然としないが、僕は自分の部屋に上がり。部屋の真ん中に置かれた卓袱台を挟み、オムレツ(プレーンでは無いかもしれない)の向かい側に座った。
長い沈黙の後、僕は一つの結論に至り、それを証明する事にした。卓袱台を乗り越え、オムレツ(着ぐるみに違いない)の頭(を覆う物に違いない物)を掴み引っ張った!
「イタイイタイイタイイタイイタイイタイ」オムレツ(中は空洞で有るはずだった)が外れない、おかしい。
「君は乱暴な人間だな!」オムレツ(着ぐるみでは無いのか?)は憤慨したようで、僕の腕を振り払った。怒らせてしまったと、一瞬反省しかけたが、それはおかしな話だと気付き、僕は反論した。
「人の家に勝手に上がり込んで、お前は何なんだ!警察呼ぶぞ!」口に出して初めて思い付いたが、何で僕は警察を呼んで無いんだろうか?
「私は、プロメキテスE228星人だ。」
その瞬間、僕は何を呼ぼうとしたのか、忘れていた。
「信じ難いのは、仕方がない。」
オムレツ(オムライスかもしれないが、最早どちらでもよい)のお化けは、非常に冷静な口調で、困っているようだった。
僕は疲れている。
僕は半ばやけになって言った。
「それで、オムレツ星人が僕に何の用なんだ?
僕はオムレツに知り合いは居ないし、少なくともオムレツを残した事は無い。
勿論オムライスもだ。」
食べ物の好き嫌いが無いのは、美徳だと思う。
「私はオムレツでは無い。」
オムレツ(プレーンで無いならなんだろう)はいたって真面目だ。
僕には、オムレツ(僕はプレーン以外のオムレツは知らない)の表情は、読めないのだけれど。
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