144人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
「好きです!俺と付き合って下さい!!」
ここは体育館裏。
その場には、色素の薄い茶色の髪を束ねたポニーテールの女子生徒。
活発そうな印象のその少女は美少女と称しても問題無いレベルだった。
その少女の前には、顔を真っ赤にして返事を待っている男子生徒の姿。
ネクタイの色を見る限り、先日の入学式でこの学校に入学を果たした新入生のようだ。
体育館裏という王道にありきたりな告白現場。
でも、実は大きな問題も抱えたこの現場。
それは・・・
「ごめん・・・」
そう言って申し訳なさそうに頭を下げる女子生徒。
それを受けて気まずさに頭を掻く男子生徒。
「つ、付き合ってる人とか・・・いるんスか?」
「えっと、それ以前に・・・」
そんな男子生徒の様子を窺いながら、女子生徒は言った。
「ボク、男だし。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・はぃ?」
「いや、だから。ボク男の子。」
そう言って自分を指差す少女・・・いや、少年?
最初のコメントを投稿しよう!