第2話

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途中から走って帰宅を果たし、荷物を分けて保存庫に入れて、どこに何をしまったのかをメモに取って厨房のキッチンテーブルに置く。   これでよし、さて…   一度自分の部屋に戻り俺は佐伯に貰った名刺の番号に電話を掛けた、ワンコールしない内に女性の声が聞こえてきた。   「あなたが佐伯さんの言ってた柳田君?準備が出来たなら貰った名刺にお店の場所が書いてあるから来てちょうだい」   「分かりました、じゃあ今から向かいますんで…」   電話を切り、俺は直ぐにスクーターに跨って名刺を確認する、書いてある店はここからだと徒歩では少し遠いからな…   少しガタがきたスクーターに異常が無いことを確認して俺は指定された店へ向かった。         ―午後8時・四番地区『ミスターメイド』―   名前とは裏腹に至って普通のメイドカフェだったことに安心したが…佐伯はまだ来ていないのか?   「アナタが柳田君?意外と良い男なのね、お姉さんちょっと安心したわ」   店の奥から見事なプロポーションの女性が妖艶な笑み見せる、どうやらこの女性が店のオーナーらしい。   他のメイドのコスチュームと違い、オーナー自身のスタイルを強調した…何とも目のやり場に困る服装だった。   「ふふ、ようこそおいで下さいました…ご主人様…」   恭しく頭を垂れるオーナーに釣られて俺も気が付くと頭を下げていた。   「こちらのお席でお待ち下さいませ、ご主人様…」   通されたのは個室だった、どうやら通常よりも高い料金で入れるところらしい。   広くはないが豪勢に飾り付けられた室内には、店に入った時とは別の甘い匂いが漂っていた。   「うーん、まさかのメイドカフェ初体験がこんな風に実現するとはなぁ…しかしあの刑事さんは何でこんな店を知っているんだ?」   「そりゃ警官といえどもプライベートはあるからねぇ」   扉が開き、頭を掻きながら笑う佐伯が顔を見せた。   「ここのメイド長とはちょっとした知り合いでねぇ、信用出来る人なんだ」   入室した佐伯の後ろにスーツ姿の男女が続く。   「この二人もそういう間柄でね、キミの話しを聞きたいって言ってついて来たんだよ」
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