0:目醒めの呪文

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ケーキに目をやるとローソクはもう半分以下になってしまっていた。 ロウはきっとケーキに流れ出ているだろう。 せっかく、お母さんが一生懸命作ってくれたケーキなのに、食べるところが減っちゃうよ。 「オイ、お前ガキの方を殺れよ。オレはもう少し楽しむ。」 「イヤッ、やめ…てッ…。なつ…きッ!!」 「チェッ…。次は俺に楽しませろよ!」 あ。 目をギラギラさせた男の人がこっちに来ちゃった。 まるで虎みたいだ。 虎に襲われたら…死んじゃうな。 あ!そっか。 お父さん、虎に襲われて死んじゃったのかな? だからピクリとも動かないんだ。 じゃあ、お父さんの頭から流れてるあの赤い液体は…… 「血…だ…。」
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