0:目醒めの呪文

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「うわああああッ!!」 暴走した力は止まる事を知らない。 いや、止めるべく術が、無い。 「うあ…うあ…うわ…あああああ!!」 少年も、全身から溢れ出てくるその感情と未知なる力が何なのか、ワケが判らずにいた。 ただただ放出される未知なる力。 生まれたての赤ん坊が意志を告げるように、叫び続ける事しか出来なかった。 …記憶に残っている光景は、バラバラになっていくヒトの形をしたものと、俺に降り注ぐ、大量の赤い赤い鮮やかな……雨。 ローソクは燃え尽きていた。 後の報道はこう告げる。 『悲劇!!強盗殺人事件 犯人一味、襲われた一家もろとも謎の残虐死。 一人息子の××君(10)は以前として行方不明』 この事件は迷宮入りとなる。
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