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「とこしえ…助かるの?…私はまだ」
ユウマの目の前にいるのは、消滅に酷く怯えた私。
―…消滅の前兆はね、自分の名前が言えなくなる。
「ぇ…ぁ……思い、出せない…っ」
―…でも、気を強く持って。永久迷路への鍵は自分の名前が言えること。それから、君の場合は真っ直ぐな心。
僕は君の名前を知ってる。あとは君次第。
「私次第…なの…?」
俯いたまま動きを止める。
少しの時間が長く感じ、時計の秒針の音だけが部屋中に谺する。
―お母さん…っ
―…ィナ。あたしの大切な子。
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