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幾時が流れた。
「永久迷路…それは私の中にあるのね」
私は自身の頭を指差し、ユウマに問い掛けた。
瞳には先程までの怯え、澱んだ光はない。
「私は麗奈(レイナ)。私の名前は麗奈よ。」
綺麗な眼をしていた。
―…その瞳は好きだよ、レイナ。
僕のことはもう怖くない?
「…うん、私はユウマを恐れていないわ。」
ユウマは目を閉じる。
(強い決心の眼差し…。なかなかだね。)
そしてゆっくり、目を開く。
―…じゃあ、行こうか。
ユウマは天井に手をかざした。
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