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そして、かざした手を私に向ける。
周りの景色がぼやける。
目の前が真っ白になってゆく。
ユウマの顔さえもわからなくなってきた私は、目眩の様な感覚に襲われ眉間に皺を寄せる。
―…レイナ、大丈夫だよ。夢の世界に似てるから。恐がらないで、真っ直ぐ見据えて。
永久迷路では、絶対に諦めの心を見せては駄目だよ。
「ええ、わかっている、わ…」
意識が途絶え、床に崩れる私をユウマが素早く受けとめた。
(僕も向かわないと…)
静かにゆっくりと横に寝かせる。
(丹火(ニッカ)がまだ嗅ぎつけていない、今が好奇なんだ…)
…―
「れいなぁー起きなさいー?」
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