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「で、どの子だっけ?」
「だから、真ん中。5人のうちの真ん中の子。セミロングの黒髪。」
3階にある教室の窓からは中庭が見える。
たくさんの桜が植えられていて、春になれば満開。地面は芝生だし所々にベンチもあるから、天気が良い日は花見をしながらお昼が食べられる。だからいつもそこは賑やかだった。
そしていつも目に留まるのはあの子。
可愛い。ほんと可愛い。
肩までの黒髪に、彫刻のように整った顔。口に手を当てて上品に笑うその姿にいつも胸キュン。
一際大きな桜の木の下のベンチ。いつも5人でご飯を食べている女の子の中の一人。
「…あー。」
その彼女の姿を見つけたのかジュンが何か納得したように声をあげた。
「な?可愛いだろ?」
「まぁ、ね。」
「もぉ、ヤバいんだよ。笑った顔とか。ホント可愛い。可愛い。」
「…ハマってるねー。」
「だって可愛いんだもん。」
多分、漫画だったら目が完全にハートだと思う。
一時も目を離さずに見つめていたい。
可愛いなぁ。
何て言うか、人間国宝?
あんなに可愛い子は国で保護しなきゃね。
てゆーか俺が保護する。
俺が親なら外に出したくない。
絶対お嫁に出さない。
てゆーか俺が結婚する。
「…彼氏いたらどうする?」
…。
な、何でそんな事言うんだよ(涙)
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