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「ジューーーーーン!!やっぱり居るのかなぁ?彼氏居るのかなぁ?」
「あ、や、しら、ない、や、やめ、やめて、やめ、てやめて、や、」
ガクガクガクとジュンの肩を揺さぶり、俺の悲しみを伝える。
それは十二分に伝わったようで、ジュンは少し涙目で「分かった!分かったから!」と言ってきてくれた。
「てかさー、やっぱいるよなぁ。彼氏。あんなに可愛いんだもんなぁ。」
後ろに座っているジュンの机に泣きつくようにして顔を伏せた。
あー、凹むー。
やっぱ彼氏いんのかなぁ?
「ミキ、お弁当食べれないからどいて。」
可愛いもんなぁ。
名前、なんていうのかなぁ?
「ねぇ?ミキ?聞いてる?」
学部どこかなぁ?
学科は何だろうなぁ?
「ミキ。ミキってば。」
サークルとか入ってるのかなぁ?
何回生かなぁ?
「ミキ!」
「…ジュン。」
ムクリと体を起こしジュンを見たら、なんか怒ってた。
けど、今の俺はそれどころじゃなかった。
「お友達になりたぁい!」
「ちょっとお!ミキ!落ち着いて!」
ガバッとジュンを抱き締めて彼女に届かない思いを吐き出す。
ジュンがばたばたと俺の腕を必死に解こうとしてたけど、体格の差でビクともしない。
周りがザワザワと騒がしかったけど、どうでも良かった。
ああ、神様!
どうか彼女に彼氏が居ませんように!
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