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(こいつに話した事が間違いだったんだ!!)
あの少年との待ち合わせ時間が近い事もあって、笑い続けるアスマをほっぽいて、カカシは歩き出した
「カカシっ!!そりゃあなぁー、そいつに恋したんだよっ!!一目惚れっ!!」
後ろから、大きな声でまだアスマが叫ぶ
「今度、その女の子紹介しろよなっ!!」
カカシは聞こえてない振りをして足早に去った
(女の子?そいつは男だよっ!!大体、何?恋した?一目惚れ?何だそりゃ…???)
「一目惚れぇっっっ!!??」
思わずカカシは声を上げてしまっていた
(えっ!?俺、男色の気ねえし、大体お世辞でも可愛いタイプの奴じゃないぞ!?)
(そりゃ、あの笑顔は気持ち良いと、ちょっとは思ったし、子犬みたいに、ちょこまか動く姿は見ていて飽きなかったし……)
(って、答え出ちゃってるじゃん…)
カカシの歩いていた道沿いにある硝子に、少年の事を考ると、耳まで真っ赤になった自分が写っていた
「あぁ、俺、あいつの事が好きなんだ…離れたくなくてイライラしてたんだ…」
自分の気持ちに気付いてしまったが、だからと言って、どうにも出来ない現実も目の前にあった
(俺はこの休みが終わったら暗部に行く…)
(俺の存在は24時間で全て消え去る…)
待ち合わせの場所に例の少年は居た
少し不安げに立っていたが、カカシの姿を見つけ屈託ない満面の笑みで駆け寄って来た
「なぁ、今日付き合って欲しいのは何処なんだ?」
少年は俯き加減のカカシの顔を下から覗き込む様に顔を差し入れた
「うわぁ!!」
どんなに悲惨な現場でも冷静さを欠いた事ないカカシであったが、自分の髪が少年の額に掛かる程、行き成りの接近に、尻餅をついてしまっていた
「大丈夫か?顔真っ赤だぞ?熱でもあるのか?」
少し呆けてるカカシに少年は、掴まれと手を差し出した
カカシは躊躇しながらも、少年の手を握りしめ立ち上がった
(口から心臓が飛び出しそうだ…あいつ、俺の事変に思ってないよな…)
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