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「会いたい…会いたい…」
「ん?誰にだ?」
「何だ、オメエ泣いてんのか!?」
病室で目が覚めたカカシの目の前に、ムサイ髭面の男が、覗き込んで居た
チチチチチチチッ!!
「うわぁー!!馬鹿っ!!雷切は止せっ!!雷切わっ!!」
アスマの後頭部にはデカい瘤が出来、涙目で煙草をゆらゆら加えていた
「何か、夢見てただろ?」
アスマが興味津々で聞いてきた
「もう一発食らう?」
笑いながら言うカカシだが、目が笑ってない…
「途中までは、楽しそうだったけど、後半はグダグダだったぜ」
ニヤリと笑い、煙草をピコっと跳ね上げた
(コイツは話すまで、居座るな…たくっ…)
20年以上の付き合いの二人である
性格がどんな物かも嫌と言う程分かる
「初恋の思い出の夢を見てたんだよ…」
カカシがボソボソ呟いた
「お前が初恋の夢で!?明日、槍でも降るんじゃねぇかぁ~!?」
(コイツ、今度殺しとこ…)
「初恋ねぇ~。ん?それってお前が暗部に行く前のドタバタじゃねぇのか?」
(変にこーゆー事だけは、覚えてるんだよ、コイツはっ!!)
「あん時、今度紹介しろと言ったが、別嬪さんだったんか?」
「…………」
「確か、あん時、下忍に成り立てだって言ったよなぁ~?じゃあ、今頃は、中忍か上忍じゃねぇか?」
「知らないよ…」
カカシはちょっと、不貞腐れて言った
「知らないって!?初恋ってそんなモンか?」
「俺は、相手の名前も何も知ぃ~らない…相手にも写輪眼で記憶を消してるから、何処かで出会ったとしても、あっちは分かんなーいよ」
軽く呆けて見せて、ベッドにバフッと沈んだ
(そう、会っても分かんない…嫌、こんな血で汚れた自分何かとは関わり合いをもたない方が良いんだ…)
「来週だな…お前が先生ねぇ~クックックッ!」
「髭ですら出来てるんだ、俺に出来ない訳ないっしょっ!」
「髭、ゆーなっ!!」
1日寝てしまえば、程回復したカカシは外の夕焼けを見ながら呟いた
「又、一緒に見たかったな…あの風景…」
そろそろ、紅もやって来るだろう…
「アッスマァ、回復祝いは何処に飲み連れて行ってくれんのぉ~」
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