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店の中は、結構な賑わいだった
「じゃあ、カカシの回復と先生になるお祝いで、カンパーイ!」
アスマと紅が音頭をとる
かなり、嫌みが入った乾杯だった
アスマと紅は、一期前から下忍の先生として既に就任していた
カカシは本来、先生なんてモンには成るつもりは全く無かった
大体、自分でも人を指導するのに適しているか、いないか位判っているつもりだ
ましてや相手は子供ときた
この世で、カカシの三本の指に入る苦手なモノ…
その要請は、まだ暗部に居たカカシの元に、火影の直命でやってきた
『九尾の器』
木の葉の里では、処罰を受ける程の禁句だ
約、十数年前、木の葉の里に壊滅的な出来事が起こった
その最も忌まわしきモノが『九尾』だった
カカシもその時、その場に居た
圧倒的な強さの九尾の前に、木の葉の里の忍達は自分の命を盾として、里を守ろうとしていた
その中、当時の火影…4代目が自らの命と引き換えに、生まれたてばかりの赤子に『九尾』を封印した
それが『九尾の器』
里では、禁句として箝口令をしき、破った者は何らかの罰を受けた
『器』は里の一員として育てられたが、あの記憶を持つ大人からは忌み嫌われ、かなり虐げられていたその『器』が今回アカデミーを卒業し、下忍となった
だが、その下忍を育てる為の先生が居ないのだ
居ないと言うよりは、現職の上忍達が拒否したのだ
先生となりうる大人達で、あの事を知らない奴はいない
ましてや、その子供が、あの『器』だと言う事も…
木の葉の大人、特に忍は殆どが、あの出来事に関与し、何らかの悲しみを刻まれた
十数年経った今でも、その傷は癒されておらず、『器』を見る度に、思い起こされる
また、カカシに白羽の矢が立てられたのは、別の理由もあった
万が一、『器』の中身が外に出る事態が起こった時、速やかに処理出来るだけの腕が必要だったのだ
処理…それは『器』ごと葬る事
写輪眼のカカシならば、その重責を全う出来ると言う事だろう
現在の火影、三代目にはカカシも色々と世話になっているので、簡単に断る事も出来なかった
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