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「ふんで、どこ行くんだ?」
カカシの、鬱陶しいと言うオーラには気にも止めず、アスマは横に並び歩いていた
(こいつはデリカシーってもんは無いんだろうな…)
諦めの小さな溜め息を吐き、カカシはぼそりとと呟いた
「墓参り…」
流石のアスマも返答に躊躇し、後ろ頭をガシガシ掻いていた
「俺も行こうかな…」
アスマは珍しく遠慮がちに呟いた
聞こえていた筈だが、カカシは無言だった
二人は無言のまま、森を抜け、慰霊碑と呼ばれる前までやってきた来た。
ここは里の英雄と呼ばれる者が眠る場所
任務で散って行った忍の名前が刻まれている
中には指一本しか帰ってこれなかった英雄もいる
どれ位時間が経っただろう、それまで無言だった二人の静寂を破ってカカシが呟いた
「忍って何?」
「へっ!?」
いきなりの質問でアスマは間抜け声を上げていた
「何って言われてもなぁ~。里の要?里を守る者か?そんなとこじゃね?」
「何で守りたいんだ?何を守りたいんだ?自分の命すら惜しくないのに、何を守れるだ?」
カカシが珍しく感情を表に出していた
「そりゃお前簡単な所で愛する者だろ?」
アスマは自分で言ったセリフが余りにも臭いものだったので恥ずかしくて、後悔していた
「アスマには守りたい何かがあるのか?」
(アスマ?お前じゃなく?)
カカシがアスマと呼ぶのは初めてだったいつもはお前だ
「俺は今からそれを見つけるんだよっ!まっ!今の所はその中にカカシもちょっとは含まれてるぜ!」
上からカカシを見下ろしながら、アスマはニヤリと笑った
カカシの右目が初めて弓なりに形を変え失笑していた
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