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休みの2日目は生憎の雨だった
今まで休みらしい休みを貰った事のないカカシにとって、どう時間を過ごしていいか解らなかった
雨の中をぶらぶら歩いていたら、同じ年頃の子供達の集団がいた
ただ集まってるにしては様子が変だった
上忍のカカシにとって少し離れていても、雨音を消し去り会話だけを拾う事は造作もない事だった
「返せっっ!!」
「お前両親も居ない癖に火影様に取り入ってズルしたんじゃねーのかぁ」
どうやら一人に対し集団で嫌がらせをしているらしい
集団の奴らの言い方じゃ、その一人をかなり妬んだ上での行動らしい
「俺の額あて返せっ!」
「お前には似合わないよっ!!いつも馬鹿ばかりしてるくせにっ!こうしてやるっ!」
集団の一人がそいつから取り上げたであろう額宛てを地面に叩きつけ、まさに踏みつけようとしていた
「やめろっっ!」
怒りの為に少し涙声の少年が叫んだ時だった
フォン!
今まさに足を上げ、振り下ろそうとした奴は突風に煽られ数メートル先の大木に打ちつけられていた
突然の出来事に、そこに居る誰もが、状況を把握できず、固まっていた
「うわ~んっ!」
木に叩きつけられ、さっきまで威勢のよかった奴の鳴き声で皆の思考が動き出した
中心の少年を囲む様に、半円に並んでいた集団は一斉に後ろを振り返っていた
カカシは、無言で近づいて来て額あてを拾い上げると、パンパンと汚れを落としていた
「お前何すんだよっ!」
嫌がらせをしていた他の一人がカカシの肩に掴みかかろうとしたが、カカシは中心の少年近くに既に歩み寄っていて、空を切った腕はそのままよろけ、転けてしまっていた
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