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「てめぇー!」
今一度、掴みかかろうとした奴はつぎの瞬間、周りの奴らと共に凍りついていた
カカシは既に背後に周り込み、そいつの喉元にクナイを構えていた
「一度しか言わないから聞けよ…額あては木の葉の忍としての大切な物なんだ…あんたらもアカデミーの奴なんだろ?次は頭と胴体が繋がってないから覚悟しとけ…」
皆、声も出せず、只コクコクと頷くと蜘蛛の子を散らす勢いで逃げて行った
(何で俺、こんなお節介焼いてんだろ?)
自分の取った行動に疑問を感じながら考えてると、後ろから
「あの…額あて、取り返してくれて…あり…がとう…」
オズオズと声がして来た
(あぁ、まだ居たんだ…)
クルッと振り返ると、悪ガキっぽく、ニカッと笑う少年が立っていた
鼻の上には真一文字の傷、髪を高い位置で縛りまるで犬の尻尾の様にポワポワしている、背中には一番の文字
特に変わった奴では無いのに、カカシはその少年から目が離せなかった
「お前名前何てゆーんだ?さっきの奴が吹っ飛んだのって風遁の術?俺より小さいくせにすげーなぁお前!」
その少年はどこで息継ぎしてるんだ?とばかりに話掛けてきた
「名前は…教えない…あんたももうちょっと修行したら?一応下忍に合格してんでしょ?」
「はぁ?何それ?だいたい喧嘩に忍術使うのは良くないだろっ?」
(いや、あれは喧嘩にしては一方的だったでしょ?こんな甘ちゃんが忍になって生きていけるの?)
「なぁお前下忍なん?アカデミーで見掛けた事無い気がするんだけど…」
ちょっと胡散臭そうに少年は聞いて来た
「俺はアカデミー飛び級して殆ど通って無いからな…」
カカシが言うと
「えっ!?飛び級って、じゃあ中忍!?」
「嫌、もう上忍…」
少年は真っ赤になって後ずさりした
忍の世界では上下関係がかなり厳しく、上が白いと言えば黒くても白くなるのだ
それなのに、下忍成り立てのほやほやが上忍様をお前呼ばわりしたあげく食って掛かったのだ
その場で殺されても仕方ない内容だった
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