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「準備が出来た。始めるぞ」
シュランとミキュルの手には、細い小刀が握られていた。
朱姫の知る限りでは、この小刀しか準備をしていないように思われる。
「朱姫こっちにこい」
言われるままに従い、朱姫は二人の前に立たされた。
「始めるぞ」
「はい」
『時は流れ満ちる。神々の眠る扉、開け放つ鍵を手に入れる。導きの手を我に与えよ』
ポタッ。
持っていた小刀で親指の腹を切った。流れ出た血液は空中で止まり、球体となって輝く。
『我、彼の者の力になり、彼の者、我の力となす。彼の者、名を宮野朱姫』
血の球体が輝きを増し、赤が色を変える。
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