夏休みの始まり

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「準備が出来た。始めるぞ」 シュランとミキュルの手には、細い小刀が握られていた。 朱姫の知る限りでは、この小刀しか準備をしていないように思われる。 「朱姫こっちにこい」 言われるままに従い、朱姫は二人の前に立たされた。 「始めるぞ」 「はい」 『時は流れ満ちる。神々の眠る扉、開け放つ鍵を手に入れる。導きの手を我に与えよ』 ポタッ。 持っていた小刀で親指の腹を切った。流れ出た血液は空中で止まり、球体となって輝く。 『我、彼の者の力になり、彼の者、我の力となす。彼の者、名を宮野朱姫』 血の球体が輝きを増し、赤が色を変える。
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