旅に

6/26
前へ
/170ページ
次へ
ミキュルは朱姫に時計を見せながら言う。 「五時!?」 目をこすっていた手を止め、ミキュルが持っている時計を睨みつける。 「なんでこんな時間に起こすのよ!」 「早く出かけないと今日中に帰ってこれないぞ」 「うっ、それは嫌だ」 「だったら早く支度しろ。ミキュル」 「はい。朱姫さんこれに着替えて下さい」 ミキュルから渡されたのは、白と黒のチェック柄のワンピース。フワッと広がったスカートだ。 「うわぁ可愛い。これ着るの?」 「はい。契約者の正装です。この上にこれを羽織って下さいね」 渡されたのは、これも白と黒のチェック柄の長袖のカーディガン。 「わかった。じゃ着替えるよ」
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加