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男が岩から下りてくる。
「それにしても悪魔と天使両方が憑くなんて。珍しいね。それだけの魔力を秘めているということかな?」
男は登山者にしては薄着で全く寒さを感じてなさそうな感じだ。それに悪魔や天使の存在を知り、朱姫のことを知っている。
「ねぇあの人誰?あんな高い所から落ちてきてなんで怪我してないの?」
朱姫はシュランとミキュルに問うが、二人は男を見つめたまま動かない。
「どうしたの?」
「きっと驚いているんだよ、僕が現れたことに」
男はそうだろ?とシュランとミキュルに目を向ける。
それに対し二人は黙ったままだ。
朱姫はシュランの手を引っ張り強引に自分の方に向かせる。そして同じことを口にする。
「ねぇ誰なの?」
その問いから少し間を空けてシュランは静かに男の名を告げた。
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