旅に

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「だから離れろ」 朱姫の手をグイッと引っ張る。 「それが人にものを頼む態度なの?」 ウインドも負けじと朱姫を引っ張る。 「誰もお願いなんてしてない、命令してるんだ」 グイッ。 「命令しないでくれる?悪魔なんかに命令される覚えがないんだけど」 グイッ。 「悪魔なんかって。お前だって悪魔出身じゃねえか」 グイッ。 「出身は悪魔でも、今は神様だもんね」 グイッ。 「え?神様って悪魔だったんですか?」 朱姫は自分の上にあるウインドの顔を見上げる。 「うん、そうだよ。てか、神様なんて他人行儀な言い方やめてよ。ウインドでいいから」
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