夏休みの始まり

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天使が「はい」と答える前に悪魔が「何度もしつこい」と怒鳴る。 「本人がそう言ってんだからそうなんだよ。だいたい見てわかんねぇのかよ?」 信じられないから確かめてるんです。このご時世にそんな格好して、天使だの悪魔だの言ってる人のこと信じる人いませんよ。 朱姫はそんなことを思いながら、表面では信じた素振りをする。 「んで?その悪魔さんと天使さんが私に何の用なの?」 「シュラン・ド・カルリドルだ」 「え?」 「俺の名前だ。シュランでいい」 悪魔ーシュランがぶっきらぼうに言う。 「わたしはミキュル・ラ・ツランキ。ミキュルとお呼び下さい」 天使ーミキュルがシュランの隣に並び言う。 「わかったわ。で?何の用?」 「えーと。詳しいことは後で話しますけど、宮野朱姫さんわたしたちのパートナーになって下さい」
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