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天使が「はい」と答える前に悪魔が「何度もしつこい」と怒鳴る。
「本人がそう言ってんだからそうなんだよ。だいたい見てわかんねぇのかよ?」
信じられないから確かめてるんです。このご時世にそんな格好して、天使だの悪魔だの言ってる人のこと信じる人いませんよ。
朱姫はそんなことを思いながら、表面では信じた素振りをする。
「んで?その悪魔さんと天使さんが私に何の用なの?」
「シュラン・ド・カルリドルだ」
「え?」
「俺の名前だ。シュランでいい」
悪魔ーシュランがぶっきらぼうに言う。
「わたしはミキュル・ラ・ツランキ。ミキュルとお呼び下さい」
天使ーミキュルがシュランの隣に並び言う。
「わかったわ。で?何の用?」
「えーと。詳しいことは後で話しますけど、宮野朱姫さんわたしたちのパートナーになって下さい」
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