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家に帰ってもまだ、打球音、スローイング、それらのどれもが頭に染み付き、もう野球がやりたくて仕様がなかった。
もう入部届は担任からもらってある。
書くところはもう書いた、あとは親にハンコを押してもらうだけだ。
「野球部入るの?」
母が言う。
「ん。やっぱ野球部やるしかないっしょ。また迷惑かけちゃうけどよろしく」
「また3年間洗濯しなきゃいけないのね・・・」
重々しい口調で母は言う。
横では父が静かにビールを口にテレビを見ている。
父は僕が野球をやるのには大賛成だ。
父も野球をやっていたから。
僕は、父が何も言わずとも、心の中では喜んでいるのだろうと考えていた。
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