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僕は、鍵を首からぶら下げて体に似合わない大きなランドセルを背負っていた時のお話。
小さい時に僕はいじめられていました。理由なんてあってないようなもので、理不尽にいじめられていました。悲しみを覚えたと同時に、嘘笑いを覚えました。何故なら、家に帰ると、誰よりも優しい母がいたから。
いつもの帰り道で流れる涙を拭いてから、首にかけた鍵で家の玄関を空ける。これが僕の毎日だった。
家には小さなテーブルと二つの椅子があり、僕は仲良しの友達の話を母に繰り返し伝えた。学校に行って一言も誰とも話さない日もあったが、それでも楽しい日々を過ごしていると嘘をついていた。
ある日、母が体を壊して入院した。
その時僕は何もできなかった。
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