亜熱帯の戦い

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ジョセフ少尉がニヤリと笑う。 《誰だ。新型の使用許可を出した覚えはないぞ。直ちに停止しろ。》 モニターにアーバン中尉が目をつり上げ映っている。 『隊長これは…。』 《ジ、ジーザ曹長。貴様何をしているんだ?弁解は聞かぬぞ》 《中尉すみません。許可を出したのは私です》 《…ん?その声は、ジョセフか?》 《はい。お久しぶりです》 ジーザ曹長はモニターを見ながらどうして良いのか困っていた。 『本当に久しぶりだなジョセフ。お前も少尉になったか。』 『はい。5年ぶりですね。あの頃の中尉は怖かった。』 アーバン中尉達は近くにあるテントで話していた。 『もうそんなになるか。俺も今ではヒヨっこのお守りだよ。あははは…。』 『隊長そりゃないですよ。』 ジーザ曹長が泣きそうな顔をしている。それを見ながらジョセフ少尉は笑っていた。 『あの頃は鬼教官と言われていましたよね。自分はいつもビビってました。』 『おいおい、鬼教官は無いだろう。』 アーバン中尉は頭を掻きながら苦笑いをした。 『いえいえ悪い意味では無いです。中尉のおかげで今の自分がいるのです。』 ジョセフ少慰は真面目な顔で言った。そう言われアーバン中尉は照れていた。 『どうだ今晩?』 アーバン中尉はコップを持った風に手で飲む真似をした。 『いえ。明日の戦いの為に点検が有りますから…。中尉が帰って来た時に飲みましょう。』 ジョセフ少尉は立ち上がると敬礼をした。そしてジーザ曹長達の方を見て言った。 『中尉を頼む。』 そう言うとその場から離れて行った。それから皆は解散して、自分達の部屋に戻り明日に備えた。 カタカタカタ… モニターに向かってヒビキ軍曹はキーボードを叩いていた。連邦のMSのデータを調べていた。静まり返った基地でその音がいつまでも響いていた。 そして朝が来た。整備士が忙しく動き回っている。 『メインの電源を入れろ。』 『了解。』 そこへ大きな欠伸をしながらジーザ曹長とカガリ伍長がやって来た。 『朝早くから大変ですね。』 『奴らも仕事だからな。』 又、ジーザ曹長は欠伸をした。 『おっ俺のドムちゃんはどうですかな?』 見上げた先に左側に武器を持つドムの改良型が立っていた。ジャングル戦に備え迷彩の塗装がされていた。そしてその奥にジョセフ少尉のウルティマαがあった。 『お前ら以外と早起きだな。』
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