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連邦軍にとっては大事な基地への入口、そう簡単にたどり着かしてくれる訳も無かった。
『距離6000。Kポイントに入口を確認。』
ヒビキ軍曹の連絡が入った。
『そうかヒビキ達はここで待機し援護、ジーザとカガリは俺に続け。』
『了解。』
アーバン中尉達は入口を目指した。ところが少ししてヒビキ軍曹から通信が入った。
《隊長、10時の方向に敵を確認》
『何…そう簡単に入れてくれないか…。』
《ちょっと待って下さい。友軍のようです》
『俺たち以外にここを見つけた奴がいたか。』
アーバン中尉は少し悔しそうにしたが、すぐに聞いて来た。
『それでどこの部隊だ?』
《はっきりしないのですが、水陸両用の新型のMSのようです。部隊はキシリア中将…》
そこまで言いかけると突然、目の前に赤い機体が現れた。
『赤い彗星…。』
ジーザ曹長が呟く。
《入口の発見感謝する。ここからは我が小隊に任せて、君達は後方に下がってくれ》
赤い機体のパイロットはそう言った。モニターに映った姿は目を仮面で隠し、ヘルメットの後ろからブロンドの髪が見えていた。
『もしやあなたはシャア少佐。』
《私をご存知か?私も有名になったものだ》
赤い機体のパイロットは襟元がキツいのか緩めるような仕草をした。
『ジオン軍に居て赤い彗星を知らない者はいませんよ。』
ジーザ曹長は憧れの人を見るように言った。
《それは光栄だな。しかし、その呼び方はあまり好きではない》
『申し訳ありません。シャア少佐。』
ジーザ曹長はモニターに向かい敬礼をした。
《まあ、良い。後は任せて貰おう。諸君の武運を祈る》
そう言うと赤い機体のMSはジャブローの入口に目掛けビームを発射し破壊した。そして中へと入って行った。
『ビーム兵器…。やはり赤い彗星と言われるだけはありますね。』
カガリ伍長が呟く。
《バカだなカガリ。俺もそれなら持っているぜ》
ジーザ曹長のドムの左手にはビームライフルが握られていた。
《ジーザ曹長。シャア少佐に負けないようにしないとな》
アーバン中尉が笑った。
《勿論です。後は木馬…ですよね》
ジーザ曹長は腕を曲げ力こぶを見せた。
《そうだ。ヒビキ軍曹どうだ?》
アーバン中尉は機器の隙間に挟んであった一枚の写真を取った。
《10分前にそれらしき反応を確認してます》
ヒビキ軍曹は激しくキーボードを叩いている。
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